東よか干潟について

ここで生きている

ここは、渡り鳥が
毎年羽を休めに来てくれる場所
水辺の生き物が、
気持ちよく生きている場所
そして、わたしたちのいとなみも、
ここにある

渡り鳥

四季折々の渡り鳥たち

東よか干潟では、春・秋の渡りの季節になると、数千羽のシギ・チドリが餌をついばむ姿を見ることができます。四季を通じて渡来する野鳥は 100 種類以上。中にはクロツラヘラサギ、シクツガモ、ズグロカモメなど絶滅危惧種を含む水鳥類が渡来します。東よか干潟は、国内有数の渡りの中継地、冬地になっており、シギ・チドリ類は夏になるとシベリアやアラスカ方面で繁殖し、冬は越冬のためオーストラリアやニュージーランドなど暖かな場所へと渡ります。世界中を旅して東よかに訪れてくるのです。

クロツラヘラサギ

クロツラヘラサギ

ソリハシセイタカシギ

ソリハシセイタカシギ

シギ

シギ

シチメンソウ

海の紅葉 ”シチメンソウ”

東よか干潟は、絶滅危惧種に指定されている塩生植物「シチメンソウ」の国内有数の群生地です。シチメンソウの葉色がピンクから緑、そして赤へと変わる様を七面鳥の顔色になぞらえてこの名がつきました。秋(10月下旬〜11月上旬)には鮮やかな紅紫色になり、海岸線を真っ赤な絨毯のように染め上げることから「海の紅葉」と呼ばれ、有明海の風物詩となっています。

川・海の生き物

川・海の生きものたち

九州・有明海沿岸の水田地帯は、豊かな農業と淡水の生物多様性を支える、日本の貴重な景観が残る場所の一つです。とりわけこの地域の干潟に広がるクリーク綱は、質の高い稲作を支えると共に、世界的にも貴重な淡水生態系を育んでいます。2018年6月に実施されたWWFジャパンと九州大学による生態調査では、17種類の魚類が確認され、そのうち6種類(カワバタモロコ、日本バラタナゴなど)が絶滅危惧種でした。

また、有明海の湾奥部にある東よか干潟には、ムツゴロウやワラスボなど、有明海特有の生物が生息しています。多くの野鳥が飛来するのは、餌となるカニやゴカイなどの生物が豊富に生息しているためで、干潟独特の豊かな生態系が形成されています。

ムツゴロウ

ムツゴロウ

シオマネキ

シオマネキ

カワバタモロコ

カワバタモロコ

ラムサール条約湿地に登録

東よか海岸

東よか干潟付近の農地では、長年、多くの農家が農薬や化学肥料を減らしてお米づくりを行なってきました。その取り組みなどが東与賀の豊かで美しい自然を残し、毎年秋から春にかけて国内で最も多くのシギ・チドリ類などが渡来する湿地となりました。そして東よか干潟は、2015年5月、国際的に重要な湿地としてラムサール条約湿地に登録されました。

シギの恩返し米プロジェクト

ラムサール条約にうたう「ワイズユース(湿地から得られる恵みを持続的に生活に活用する)」の活動として、2017年7月、農家・農協・行政・大学・IT企業などが連携し、お米のブランド化を目指す「シギの恩返し米プロジェクト」がスタートしました。東よか干潟や隣接する農地やクリークには、絶滅危惧種に指定された野鳥や植物、魚類が、農家や地域住民等の環境保全活動などにより、今でも生息しています。これらの生きものと、これからも共生していくため「6つの活動方針」を定め、様々な実証実験(試験栽培、佐賀県GAP認証取得、東京オリンピック2020へ食材提供、生物多様性・環境の保全活動、売実験など)に取り組んできました。

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